D/A コンバータの実際
デジタルに於けるオーディオの問題点と技術的目標として、可聴帯域以上への伸張や24ビット・32ビットとビット数を上げるのは、諧調性や高密度の再現というよりも、実際はローレベルの再現性・量子化ノイズとの戦いである事が、本当の技術的目標であった事が解る。
それは、TDA-1540に始まり TDA-1541 TDA-1547 そして現在の最新鋭のD/Aコンバータに到るまで、同じ軌道の上にある。この問題にどの様に対処したのか、その実際を見てみたい。
試聴記は後日の予定であったのだけれども、結論から先に書いてしまうと、バランス-バランス接続したStuder D-730は凄く良かった。A-730も良いが、音楽を楽しませる表現力は互角で、まったく遜色ない。オーディオ的なニュアンスの豊かさと迫真性では、A-730を凌いでいるようにも聴こえた。A-730は音色がきちんと整えられ、喩えればマスターテープのような音で、D-730はマイクを介した生演奏の音のように感じる。ところが、世間の評価では、圧倒的に【マルチビット】が高く、ワンビットは高域がメロー・低域に力が無いと評される事が多い。確かに単体での音はその傾向があるのかも知れない。
世評の違いは、デジタル変換そのものに依拠している性質なのかを知りたいと思い、詳しく調べる事にした。ところが、基幹の技術であるΔΣ変調が難物で、理解の前に立ち塞がってくる。
当初TDA1547は、開発経緯からコストダウンのための開発と思っていたので、ワンビットだからと、高を括っていた。ところが実際は、TDA1541のブレークスルーを計ったコンバーターであり、その要がΔΣ変調であった。マルチビットからシングル・ビットへの移行は想像以上に大胆である。少し長くなってしまったのだけれども、お付き合い頂ければ有難い。
デジタルに於けるオーディオの問題点と技術的目標として、可聴帯域以上への伸張や24ビット・32ビットとビット数を上げるのは、諧調性や高密度の再現というよりも、実際はローレベルの再現性・量子化ノイズとの戦いである事が、本当の技術的目標であった事が解る。
それは、TDA-1540に始まり TDA-1541 TDA-1547 そして現在の最新鋭のD/Aコンバータに到るまで、同じ軌道の上にある。この問題にどの様に対処したのか、その実際を見てみたい。
試聴記は後日の予定であったのだけれども、結論から先に書いてしまうと、バランス-バランス接続したStuder D-730は凄く良かった。A-730も良いが、音楽を楽しませる表現力は互角で、まったく遜色ない。オーディオ的なニュアンスの豊かさと迫真性では、A-730を凌いでいるようにも聴こえた。A-730は音色がきちんと整えられ、喩えればマスターテープのような音で、D-730はマイクを介した生演奏の音のように感じる。ところが、世間の評価では、圧倒的に【マルチビット】が高く、ワンビットは高域がメロー・低域に力が無いと評される事が多い。確かに単体での音はその傾向があるのかも知れない。
世評の違いは、デジタル変換そのものに依拠している性質なのかを知りたいと思い、詳しく調べる事にした。ところが、基幹の技術であるΔΣ変調が難物で、理解の前に立ち塞がってくる。
当初TDA1547は、開発経緯からコストダウンのための開発と思っていたので、ワンビットだからと、高を括っていた。ところが実際は、TDA1541のブレークスルーを計ったコンバーターであり、その要がΔΣ変調であった。マルチビットからシングル・ビットへの移行は想像以上に大胆である。少し長くなってしまったのだけれども、お付き合い頂ければ有難い。