2012年12月1日土曜日

ケーブル 試聴モニター

試聴モニター様 募集
以前 発売時期を9月頃を目標としていたケーブルのプリプロダクションモデルが出来上がってきました。 是非オーディオ的感性の高い人々の意見をいただければと思い試聴モニターをすることにいたしました。

詳細並びに申込み要領は、試聴モニター申込みに纏めてありますのでそちらからお願いします。

試聴レポートは返却日より1週間程度以内にブログのコメント欄か当方のメールアドレス宛てにいただければありがたいです。悪意の無いものであれば、頂いたコメントはネガティブなモノであってもすべて公開いたします。

試聴モニター概略
ALMA Einsatz をご自宅でその音質を確認・評価していただくため、お客様に貸出サービスをします。本数が限られておりますので完全予約制とし、予約受付分の中から貸し出しの目途が立った方へ順次ご連絡の上、貸出機を発送するという流れで実施させて頂きます。
なお、申し込みが集中した場合、お待たせすることがあります。予めご了承ください。

ご不明な点がございましたら、当ウェブページのcontact us よりお気軽にご質問ください。
  1. 貸出費用 返送料のみご負担ください。
  2. 貸出期間 貸出機が届いてから7日間です。
  3. 期間延長をご希望の場合は必ず事前に問い合せ下さい。
  4. 必要書類  貸出申込書 
  5. 送付先住所が記載されている運転免許証、またはパスポートのコピー。なお、運転免許証とパスポートがない人は保険証のコピーをお願いします。
  6. *ケーブルは絶対に分解しないでください。
申込は、試聴機貸出規約をご確認の上、上記(5)のコピーをメールに添付してください。
尚、貸し出しは、申込みをされた時点で[モニター貸出規約]に同意されたものとさせて頂きます。

■ モニターをして、レポートを出して頂いた方には、特典を準備しております。 ■


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Einsatz 【アインザッツ】 
さて、このケーブルのモデル名は Einsatz アインザッツとしました。その由来は、
<ウィキペディアより>引用 
音楽に関して用いる場合は、休止後における歌い始め、奏し始めの瞬間のことをさす。



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別のブログでは、このように書かれています。

アインザッツ <HAPPY あ・ら・かると>から引用
アインザッツを揃えることは、アンサンブル技術の中でもなかなか大きな壁です。
アンサンブルの項の中で書こうかと思ったのですが、アインザッツの部分だけで相当奥が深いので、単独で語ることにしました。そこで、いかにすればアインザッツを上手く揃えることが出来るかについて語ってみようと思います。

アインザッツの重要性
一度フレーズが流れ出してしまえば、出だしで乗り遅れたとしても、後からついて行くことはそれほど難しいことではありません。
 
しかし、音のない状態、またお休みしている状態から、しかも複数の奏者がタイミングを揃えて音を出すには、通常よりも高い集中力が必要になります。
だから、出だしの部分だけとりわけ技術が必要とされ、それが「アインザッツ」として抜き出して特別に注意されることが多くあるのです。
それに、聴き手にとっても、フレーズの出が美しいかどうかで、受ける音楽の印象は全然違います。せっかくの美しい旋律も、ばらけて曖昧に始まってしまったり、ぼやけて濁って聞えたのでは、台無しになってしまいます。

例えば、有名なベートーベンの交響曲第五番「運命」の一楽章、冒頭の”運命の動機”の最後のD音のフェルマータが終止された後に始まるヴァイオリンのアインザッツ。三つのG音がずれて四つにも五つにも聞こえてしまったならば、その後が合っていたとしても、緊張感も何も全てがぶちこわしに感じてしまうでしょう。
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アインザッツをそろえるには <関稔の音楽語録>から引用
アインザッツをそろえるということは、いまさら説明するまでもなくとても重要なことです。聴衆に与える第一印象ですし、コンクールでは、審査項目に必ず入っているほどです。

にもかかわらず、無造作なアインザッツに何回遭遇したことでしょう。プレーヤーの意識の問題が大きいのかも知れません。

アインザッツをそろえるには、まずブレスをそろえるのです。息を吸うタイミングはもとより、吸う量、スピードまでそろえば、その次、音の出だしは必ずそろいます。目は棒を見て、棒の動きに合わせて、吸うタイミング、量、スピードをそろえるのです。全員の意識が統一できれば、練習することなく合うのです。

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ケーブル仕様
前回ケーブルは謎 #5に次のように書きました。

”イギリス製ビンテージ、ドイツ製ビンテージ、アメリカ製ビンテージそれぞれが特徴があり、
聴かせる音も取捨できない魅力があります。当初は一番再現性の高いものを一つだけ選択し製作する予定でしたが、こうした経緯から、私たちは全く同仕様でありながら、これら三つのパターンに対応したケーブルをリリースする事を検討しています。と書いた言下に、今後さらに方針を変更するかもしれません。

このブログ修正中(8月15日時点)に、プラグのコンタクト部分を採用予定の試作品が出来上がってきたのですが、試作品で不満であった点をクリアーする想定以上に良い印象です”。

少し予定より時間が掛かったのですが、数多くの製品が生み出されているオーディオケーブルの世界。そこに新たに問いかけるケーブル。原点に返ってケーブルの銘柄や仕様の些事ではなく、音楽の鳴り方そのものを聴かせる力をケーブルの評価基準として、作業を続けてきました。

その結果、ケーブルの仕様は当初の予定どおりビンテージケーブルの良さを存分に体現したモデル、一機種としました。


プラグの素材による音への影響も想像以上に大きく、選択の過程と結果は、確かな”音楽の表現”として結実したと思います。
 

唯、プラグの推薦モデルは、音は良いのですが、削り出しで価格も高いためにオプションでの選定とする予定です。通常モデルをもし購入いただいても、後日に有償となりますが変更は出来ますのでご安心ください。

外観・メッシュなどは今後変更する可能性がある事はご承知おき下さい。この件に関しても、先行して購入いただいた場合は有償とはなりますが、対応いたします。

さて、このケーブルを繋いだ時、今までのオーディオがどのような表情を魅せるのかは、ここでは書きますまい。是非、御自分のシステムで。

最後に製作者のコメントを。
”細かい変化に対応する再現性の高いスピーカー・アンプであれば、今まで聴いていた時間を後悔することになるだろう”。





2012年11月14日水曜日

Lowther ラウザー(ローサー)を読み解く#2.1

前回、記号としての、実体としての- Lowther  ラウザーを読み解く、とした。
今回は、磁気回路廻りを取り上げたい。

同一の振動系で、磁石・ボイスコイルの材質・磁力の多寡によるシリーズが用意されているスピーカーユニットであるから、ボイスコイルの材質の違い・マグネットの違い、それぞれの特徴を調べてみたい。実際、音はどのように違うのだろうか。


2012年10月22日月曜日

Shelter  カートリッジは前進する 七歩半目

Shelter rev1
仕様:Model 7000 Model 701にHarmony の振動系を搭載したモデルです。
アナログ最期の一本に相応しいモデル。

今回テスト用に試作したカートリッジ[ 701H.7000H ]を販売します。

              

テスト時間50時間程度で、ボディには使用感がありますが、針先は極めて清浄で使用感は全くありません。ご興味のある方はお知らせください。

オリジナルモデルとしての販売を検討と記していたのですが、ロット数他の問題で現状では、難しく見合わせる事としました。ご連絡頂ければ同様のモデルは製作可能ですのでお問い合わせください。

見果てぬ夢
普段何気なく手にして見ているレコード。そのレコードの溝を改めて見てみる。下の写真はその溝の拡大写真である。当然の事ながら見れば唯うねった溝そのもので、オーディオマニアがああでもない、音楽ファンがこうでもない、と喧々諤々の元が、これ!

これが人の声になり・バイオリンに・ピアノに・太鼓に・オーケストラに、筆舌に尽くしがたいあらゆる音そのものになる要素が刻まれている事、この溝の中に叡智が込められている事を知る。このあたりの事情はフォノ・カートリッジの話(1)に詳しいので是非一読されたい。判っているようで、あらためて読でも不思議さは拭えないが。

               groove.jpg

2012年9月9日日曜日

木鶏たるアナログ #1.2

以前同名のブログを加筆修正し再アップします。
試聴 と考察
今回の試聴では、シェルターとArtemiz の組み合わせは,SME Seriesⅴに大きく水を開けられてしまう結果となってしまった。先のブログで、それはアームのディメンジョンの所為だとしたのだけれども、今までの印象が良かっただけに、今回の結果は納得できないし、釈然としない。その様な結果の原因を考察し、出来れば対応策を考えてみたい。

SME Seriesⅴ で結果の良かったビンテージケーブルに変更するとどの様な変化を示すのか、を皮切りに、一連のトライをしてみようと思っている。その他に見落としている点の洗い出しも含めて、試聴をすることにした。

Artemiz TMSにしか付けれないので、このモデルでの試聴となる。これらのRoksan【ロクサン】の詳細からターンテーブルの現状を確認する事としたい。

カートリッジ   : Shelter【シェルター】 #7000
          : Shelter【シェルター】 #7000H(ハーモニーの振動系)
                         : Shelter【シェルター】 #701H(ハーモニーの振動系)

ターンテーブル : Roksan【ロクサン】 TMS 
アーム      : Roksan【ロクサン】 Artemiz 
アームケーブル : 1920年代 ドイツ製ケーブル
  
             

2012年8月30日木曜日

ブランドはミームと成れるか #6 studer編

D/A コンバータの実際
デジタルに於けるオーディオの問題点と技術的目標として、可聴帯域以上への伸張や24ビット・32ビットとビット数を上げるのは、諧調性や高密度の再現というよりも、実際はローレベルの再現性・量子化ノイズとの戦いである事が、本当の技術的目標であった事が解る。

それは、TDA-1540に始まり TDA-1541 TDA-1547 そして現在の最新鋭のD/Aコンバータに到るまで、同じ軌道の上にある。この問題にどの様に対処したのか、その実際を見てみたい。

試聴記は後日の予定であったのだけれども、結論から先に書いてしまうと、バランス-バランス接続したStuder D-730は凄く良かった。A-730も良いが、音楽を楽しませる表現力は互角で、まったく遜色ない。オーディオ的なニュアンスの豊かさと迫真性では、A-730を凌いでいるようにも聴こえた。A-730は音色がきちんと整えられ、喩えればマスターテープのような音で、D-730はマイクを介した生演奏の音のように感じる。ところが、世間の評価では、圧倒的に【マルチビット】が高く、ワンビットは高域がメロー・低域に力が無いと評される事が多い。確かに単体での音はその傾向があるのかも知れない。

世評の違いは、デジタル変換そのものに依拠している性質なのかを知りたいと思い、詳しく調べる事にした。ところが、基幹の技術であるΔΣ変調が難物で、理解の前に立ち塞がってくる。

当初TDA1547は、開発経緯からコストダウンのための開発と思っていたので、ワンビットだからと、高を括っていた。ところが実際は、TDA1541のブレークスルーを計ったコンバーターであり、その要がΔΣ変調であった。マルチビットからシングル・ビットへの移行は想像以上に大胆である。少し長くなってしまったのだけれども、お付き合い頂ければ有難い。

                                         
            

2012年8月20日月曜日

Shelter  カートリッジは前進する 六歩目

同名のブログ内容を大幅に加筆修正したので、新たに投稿します。
試聴の結果
前回の試聴では、Shelter【シェルター】 #7000 と SME Seriesⅴ との組み合わせで良い結果が得られた。このアーム、実際にセッティングをしてみると、取説・調整・使い良さを含めて、非常に良く考えられており、音の再現能力も含めて素晴らしいアームだと思う。詳述はこちら
アームでの音の違いを簡単に纏めておきたい。

Well-Temperd Reference Arm -
このカートリッジはウェルテンパードで聴くと、レコードの録音年代や製造時期、音楽のジャンルなど万遍なく対応する懐の深さがある。項目毎の評価はどれも中庸で、正に設計者が意図した鳴り方をするように思う。Seriesⅴを聞いた後では、屈託なく鳴ると言うよりは、型にはまった生真面目な鳴り方に終始し、冗談やシャレまで説明するようなところがある。破綻は無いが面白みも無い。

Artemiz -
”全てが中庸で、空間の表出も普通である。総じてバランスには長けている。 必要にして十分な響きを再現しハーモニーも破綻が無い。しかし、音の飛びと云うか遠達性・浸透力が弱く音に迫真さ・凄みの点で物足りない。” と前回書いたのだけれど、Seriesⅴを聞いた後の正確な印象は、音と響きのバランスが悪い。英語でいうところのTonality,Liquidityが物足らないように感じる。オーディオ的には鮮明な印象で良いのかもしれないが。

Seriesⅴ -
Seriesⅴ に取り付けると、まったく違った貌を見せる。欠点を一つ一つ潰し、減算した結果得られた様なネガティブな中庸さでは無く、中庸さが積極的な美点となり、全てが数段上がる印象だ。低音域の響きと切れが素晴らしく、そのため、ハーモニーがリアルに形成されるのである。

この音を聞いていると・・。”無線と実験”だったかに、SME Seriesⅴの測定結果が記載されていた事・・を思い出していた。一般的にアームの低域共振は15Hz前後を共振峰として盛り上がった特性を示すのであるが、SME Seriesⅴ のそれは、ほぼフラットと言えるほどなだらかでありながら、15Hz前後で急峻に減衰しており、固有振動の少なさを示す見事なモノで機械インピーダンスも頭抜けて良くコントロールされていた。オーディオの測定結果と実際再現される音の間には、実際にはほとんど相関の無い事を経験上知られているが、SME Seriesⅴ は十分に測定と試聴を繰り返ししてきた事を髣髴とさせる音である。

シェルターのカートリッジはアームをあまり選ばないと思っていたが、今回考えを改めることに成りそうである。

2012年8月8日水曜日

お知らせ

今日は。 

メンテナンス中  今までの投稿を、見直しています。

順次アップしていきますので、再読ください。

2012年8月4日土曜日

ブランドはミームと成れるか #5 studer編

TDA-1540に始まる D/Aコンバータ の特徴を調べていると、CDが世の中に現れてきた頃が思い出される。あの時代が持つ空気や熱気は、懐かしくもあるが、少し含羞を含んだ苦さもある。

黎明期、煌めくCDが何たるかを知らないままに、デジタルが見せる素晴らしいスペックを前にして、こう嘯いたものである。デジタルになったら音は機種によって変らない。アナログレコードは要らない。中には”脱アナログ宣言までした御仁がいて”廃品回収に大量のレコードが捨てられていたのもこの頃であった。

アナログ人間・デジタル人間と云う言葉で世相を捉えていたのもこの頃からではなかったろうか。保守性と先進性 ウェットな情緒と即物的な認識 世代ギャップなど、多くの事柄がこの対比の構造の中で語られていた。今となっては抗うことも出来ないデジタルの中にいる。
”私は、アナログ人間なもので・・・”この台詞を今聞くと奇異にも聞こえるが、”人間”を数値に換言する違和感へのささやかな表出だったのかも知れない。

デジタルの概念は何となく解っていても、実体は【0・1】を知っている程度の素朴なもので、単に次世代の技術として盲目的に受け入れていただけだったように思う。
解っている人は解っていたのだろうが、時代の雰囲気に呑まれた人々は、デジタルという言葉の持つ先進性にすっかり魅入られて自信を持って多くの事を語ったものである。

例えば、LHH2000が語られる時に必ず”14ビットなのに”と枕詞がついていた。暗黙で”14ビットより16ビット”の方が良いとしていた。数字による優劣の訴求。そういったマーケット常套のレトリックは、”バブル”といわれた熱狂が支えていると感じていたが、この不況下にある現在でも正しく有効であるのは、不思議である。

話をD/Aコンバータに戻すと・・
D/Aコンバータ不変の問題は、デジタルからアナログへの変換精度の確保と生産技術の鬩ぎ合いであり、目標とする性能の具現は、微小レベルでの再現性(リニアリティー)に在る様である。

このように捉える事により、TDA-1540に始まりTDA-1541 TDA-1547に続く流れとマルチビット・ワンビット・SACD・DSDの位置づけがより鮮明になると思う。

ここでもう一度D/A コンバータの精度を考えてみたい。考えるにあたってサヤ PURE SPEED殿のコラムを参考にさせて頂いた。D/A コンバータの技術的問題や現状を詳しく分析されている。ここにLHH2000の講評もあったので以下に転載させて頂いた。


2012年7月26日木曜日

Lowther ラウザー(ローサー)を読み解く #1

最も古い歴史を有しながら、今だ現役のLowtherは、雑誌でもあまり取り上げられる事もない。
名称も本来であれば、ラウザーと表記されるはずが、通称ローサーと呼ばれている。
残念な事に、このスピーカが広く形成されるイメージと実質の間に大きな陥穽があるように思う。

その間隙が、奈辺にあるのか Lowther ラウザーをよく知る人々の、感想・経験を通じて、記号としての、実体としての- Lowther - ラウザーを読み解きたいと思う。

多くのユーザーの持つ指摘や印象を赤色の文字で強調し、之に対する見解や当方の考えを青色で表記する。

2012年7月20日金曜日

ケーブルは謎 #5

謎のケーブル誕生か
ケーブルに関して数多くのページビューをいただきありがとうございます。
関心を示して頂いている事が判り、大変嬉しく思います。

前回 ケーブルを取り上げてから暫く時間がたってしまったのですが、設計・仕様決定に思った以上に時間を要したのです。正確には、プラグの選定・加工・外装・パッケージなどをこれから更に詳細を詰める状況で、やっと目処が付いたという所です。
以前 記載の ケーブルは謎  #2 #3 #4を再度読んで頂ければ幸いです。

製品のリリースは、1~2ヶ月後を目標としています。 

2012年7月13日金曜日

ブランドはミームと成れるか #4  Studer編

Studer A-730 vs D-730
前回までに A-730 の特徴と試聴の印象をまとめたので、今回から、いよいよ多くのスチューダユーザーの関心事であるA-730 と D-730を知りえる範囲で比較してみたい。

セットアップの済んだA-730 を聴いてあまりに良いので D-730とどっちが良いのかな~という個人的な関心もあり、聴いてみたかったというのが正直なところ。 

現在手元にあるA-730は CDM-4 を搭載している。アナログ回路も基本的に同一であるようなので、純粋にデジタル部の設計の違いだけを知ることができるという訳だ。 

世評では、アナログライクで、音楽的なのは、A-730
ワイドレンジで分解能に優れているが、オーディオ的なD-730
とされているようではあるが。

では、そのデジタルの歴史というと大袈裟ではあるがその変遷を・・


2012年7月6日金曜日

ブランドはミームと成れるか #3  Studer編

その後のA-730 
アナログ全開とも蛇口全開とも形容されるA-730の音。
当初の音は、全開と言うほど浸透力やエネルギーは無かったが、アナログライクで所謂デジタルのデメリットを感じさせない豊かな鳴り方を聴かせてくれる。この音をオルトフォンSPUの音だと言っている人がいたが、実に上手い喩えだと思った。

一ヶ月を経て全開と形容するに足る”音”を再現し始めている。何をしたという事もない。
唯、セッティングをした時に通電してから現在まで一度として電源を落としていないだけである。
CDに限らずラインレベルの機器は、パワーアンプを除いて電源を落とさないようにしている。
オーディオ機器は熱安定(平衡)状態にならないと本来の性能を発揮できないように思うから。

電源コンデンサーのテャージにも、思いの外時間が掛かるようで、本来の性能を発揮するには、少なくとも2週間、出来れば一ヶ月の時間が必要であるように思う。

この状態になると、音は(良い機械であれば)一変する。節電が求められている昨今ではあるが、今まで、律儀に電源を切っていた人は試す価値は充分あると思うので、自己責任で試されることをお勧めしたい。

常時通電状態にすると機器の劣化やダメージを心配される向きもあるが、熱が篭らないようにセッティングさえしてあれば問題は無いと思う。また実際に起こる大半の故障のトリガーは、電源のオン・オフ時であるため、この点からも故障のリスクは却って低くなるようだ。もっとも機器によっては結構熱くなるモノもあるので、するしないは個々に判断して頂ければ良いと思う。

因みに今大きな問題である原子力の事故 チェルノブイリもスリーマイルも遮断(停止作業)中での事故である。

その変化を、是非、確かめて頂きたい。

2012年6月28日木曜日

Ortofon 【オルトフォン】 SPU GTE の不思議#7

Ortofon SPU GTE をお買上戴き有難うございました。
連絡を頂いてから、念のため以下のとおり、細部のチェック、クリーニング、音だしをしました。
オルトフォンの好事家が、音が良いとしている判断項目にすべてに合致しています。
針先はルーペで確認しながら、メラミンスポンジで入念にクリーニングをしてあります。

使用の注意点
・針圧は、1.9gで確認してあります。アームとの関係もありますが、
 1.5g位までは問題ありません。経験的に 1.9g 前後が良い様に思います。 
・ボトミングし易いので水平に注意ください。
 アームの水平ではなく、カンチレバーの角度に注意してください。
・インサイドフォースは掛けないでください。
・トランスを抱いているので、誘導を拾い易いです。
 シールド線、アースの取り回しに注意ください。特にプレーヤーとアンプ間は接地極を決めて、
 個々にワニ口クリップ付きのケーブル等でノイズが小さくなるところを探すと、ノイズが小さくなる
 状態を見つけ易いです。

長期に不動状態であったために、取り付けた際にがっかりされない様に大目にレコードを掛けて慣らしをしてあります。経験的に20時間を経ると本来の音が再現されると思います。
今までニックス時代のSPUを愛用されていたとの事、音の違いと共に、再現される音楽を楽しんで頂けると思います。 是非感想をお聞かせください。

このカートリッジの詳細を、その経緯と共に・・・

2012年4月11日水曜日

ブランドはミームと成れるか #2  Studer編

デジタル再び
次代のメディアとして大きく注目されたデジタルは、それまでのアナログを易々と超える高いパフォーマンスを聞かせてくれると期待していた。ところが、聞くほどに、探すほどに、次第に興味は萎えていく。

何が不満といって、アナログより有利と考えられていたダイナミクスは勿論の事、アタック・ハーモニーが出ない。一見、実体があるように見えるのに、ホログラムのようにリアリティーが無く妙にヨソヨソしい。音楽を聴く充実は希薄で楽しくない。更に、技術の発展と共に現れた機器は分解能は高いが、実体感は更に減退した印象である。アナログの持つプリミティブな機械としての面白さとそこから生み出される音楽の豊穣さを超える事は無く、デジタルで音楽を聴くことはほとんど無くなってしまった。

日常はデジタル抜きには維持できない程とりまく環境は、大きく変わってしまった。その浸透と集積はCDを既に過去の物とし、流れはネットワークへと移行し始めている。デジタル(オーディオ)の現在と可能性をもう一度確認しなければという思いが募る。

今更、CDプレーヤーという雰囲気もあるが、今だからこそという意義もあるのだろう。原点を確認しようと原器とも云えるLHH-2000を探したが入手は難かしく、実質の後継器Studer A-730 を探すことにした。

                

2012年2月27日月曜日

ブランドはミームに成れるか #1

少し前の二月六日 中日新聞に次のような記事が。全文を掲載させて頂く。
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- 中日新聞の"中日春秋"より -
ドイツの名指揮者フルトベングラーは、1942年の演奏会で、自分が率いていた楽団の音をウィーンフィルのそれに近づけようと、一計を案じた逸話を明かしている。

同じ楽器を注文して使わせてみたのだ。 だが、<そのその思惑は的外れ>に終わる。むしろ音は<普段よりも鈍く光沢の無いもの>に。次の演奏会では元の楽器に戻さざるを得なかったという。「音と言葉」より

楽器の良しあしとはなかなか玄妙なものである。それでも、少し前、米紙ニューヨーク・タイムズが伝えていたパリ大学の研究者による実験には驚いた。

ストラディバリウス・グァルネリといえば十八世紀に作られた「億」の値がつく名器。それと現代の高級バイオリンを、国際コンテストに参加していた二十一人の演奏者に、目隠しして弾き比べてもらったら、現代の現代のバイオリンの音の方がずっと高い評価を得たのだと言う。

材料の木、塗装など、名器の音の秘密を探求する研究は多いが、「秘密があるとすれば人の心の中にだ」とパリ大学の研究者。米国の有名なコンサルタントの言葉を思い出す。<製品は工場で生産されるが、ブランドは人の頭と心の中でつくられる。>

もっとも、これで「億」の名器が値崩れしたとも聞かぬ。こうとでもいうしかあるまい。ストラディバリウスはストラディバリウスだからだ、と。
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このコラムは実に面白い。


2012年1月26日木曜日

トーンアームは語る #1

Shelter【シェルター】を色々な組み合わせで試聴していると、今回取り上げたSeriesⅴ と Artemizとの間に予期しないほどに音の違いがある。その違う要因が何か、個々に比較しながらトーンアームの特徴を眺めてみたい。
  
Seriesⅴ
                         
Artemiz

2012年1月15日日曜日

新年の挨拶に代えて

人間修養
既報の様に、椿事も重なりアップ予定の内容が時期を逸してしまいました。改めて、新年の挨拶を兼ねて記させていただきます。

先日、昼食時に、サライ一月号をパラパラと捲っていたら ”忘れられないこの一枚”という音楽のコラムに目が留まった。寄稿者は元総理大臣 中曽根康弘氏。 どんな事を書いているのか? さしたる興味も無かったのだけれど何となく読み始めたところ・・・